まちむら図鑑
八頭町の白兎伝説
白兎伝説の舞台
ゆるやかに蛇行する千代川(せんだいがわ)を見下ろす霊石山(れいせきざん)。
現代ではハングライダーやパラグライダーでにぎわいを見せるこの山も、古代では、特別な場所として人々に畏敬の念を起こさせていたにに違いないことは、町内で発見された古墳500基のうち、200基がこの山の麓に位置していることからもうかがい知ることができます。
現在の八頭町を含む広い地域が、まだ「八上郡(やかみのこおり)」と呼ばれていた古代、霊石山を中心を望むこの国中平野(くになかへいや)一帯は、政治の一大中心地でした。
古代の息吹を感じさせる「白兎神話」が、この八頭町には残っています。
白兎は女神様の案内役?
鳥取市白兎(はくと)に残るものとはちょっと違った白兎伝説がこの町には残されています。
「大きな袋を肩にかけ~」という歌い出しで有名な唱歌「大黒様」でも歌われているように、大国主命と八上姫とを結びつけた、鳥取市白兎(はくと)の白うさぎは神様のナコード役として知られていますが、八頭町に残る伝説では、白うさぎは神様の道案内役として登場します。
※ 写真は白兎神社(八頭町福本)
その昔、天照大神(あまてらすおおみかみ)が八上郡に降臨された時、一匹の白うさぎが女神の裾をひっぱって、行宮(かりのみや/一時的に神様が滞在される住まい)へ案内したというものです。
天照大神といえば、『古事記』では欠かすことのできない重要な神様です。そんな女神様を案内したのが、なぜ一匹の白うさぎだったのでしょうか。
※ 写真は青龍寺に移建された白兎神社(八頭町福本)の社殿。
2匹の白兎の繋がりは?
天照大神を案内したこの白兎は、八上郡ではとても重要な神様だったのでしょう。このことを裏付けるかのように、白兎伝説に関連する遺跡は、八上郡の中心地であったと考えられる霊石山のふもとに集中しています。
大国主命と八上姫を結びつけた鳥取市の白兎と八頭町の白兎。二者がどんな関係にあるのか、またなぜ白兎なのか、その詳細はまだわかっていません。
まだ解明されていない古代の白兎たちの正体を、八頭町で確かめてみられてはいかがでしょう。
八頭町の白うさぎゆかりの地
1 成田山青龍寺 白兎神社灯籠(白兎神社の社殿がある)
鳥取県八頭郡八頭町下門尾46
TEL 0858-72-0450
2 賀茂神社
鳥取県八頭郡八頭町宮谷52
TEL 0858-72-1718
3 白兎神社
鳥取県八頭郡八頭町福本
4 池田神社
鳥取県八頭郡八頭町池田
5 土師百井神社
鳥取県八頭郡八頭町土師百井
6 土師百井廃寺跡
鳥取県八頭郡八頭町土師百井
7 米岡神社
鳥取県八頭郡八頭町米岡
8 万代寺遺跡(八上郡の郡衛跡)
鳥取県八頭郡八頭町万代寺
9 不遠山西橋寺
鳥取県八頭郡八頭町船岡437-1
TEL 0858-72-0055
FAX 0858-73-0354
10 赤倉神社
鳥取県八頭郡八頭町大江993
TEL 0858-73-8153